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京大個別会 原町校 ブログ
京大個別会 原町校 塾長 佐藤晃大と講師のブログです。
教育に対する熱い想いを語っていきます。 -
京大個別会 原町校 塾長 佐藤晃大と講師のブログです。
教育に対する熱い想いを語っていきます。
原町校の様子
2026.01.16
「今日は、どうしてもやる気が出なくて……」
どんよりとした曇り空のような表情で、教室のドアを開ける生徒がいます。 申し訳なさそうに、あるいは、自分に失望したような顔で、私の顔を見ます。
そんな時、私は「頑張れ」とは言いません。 「そんな日もあるよね」と、ただ静かに頷きます。
だって、私自身もそうだからです。 塾長という立場であっても、大人であっても、どうしても心が動かない日はあります。 それを無理やり「やる気」という曖昧な言葉で解決しようとするのは、少し残酷だと思いませんか。
今日は、やる気が起きない時の「逃げ方」と、それでも「一歩進む方法」について、私の考えを共有させてください。
多くの人が誤解しています。 「やる気が出てから、勉強を始める」のだと。 でも、脳の仕組みは、実はその逆なのです。
「作業興奮」という言葉をご存知でしょうか。 掃除を始めたら、いつの間にか夢中になって家中を磨いていた、という経験は誰にでもあるはずです。 脳は、体を動かすことで初めて、スイッチが入るようにできているのです。
だから、私たちがすべきなのは、心を燃やすことではなく、「体が勝手に動く仕組み」を作ることです。
私は生徒たちに、いつもこう伝えています。 「やる気がなくていい。ただ、机に座ってシャープペンの芯を出す。そこまでで今日のノルマは達成だよ」と。
驚くほど小さな一歩。 でも、その「一行だけ書く」「テキストを開くだけ」という儀式が、止まっていた思考の歯車を回し始めます。
「やる気」という不安定なものに、自分の人生を預けてはいけません。 成績を伸ばし、自立していく子どもたちに共通しているのは、「やる気がある日もない日も、淡々と『同じこと』を繰り返す」という強さです。
歯を磨くとき、私たちは「さあ、やるぞ!」と気合を入れませんよね。 寝ぼけていても、疲れていても、体が勝手に動きます。 勉強も、そこを目指すべきなのです。
感情が介在する余地がないほど、当たり前の日常にする。 「やる・やらない」を判断するエネルギー(意志力)を使わないこと。 それが、最も効率的で、最も折れにくい学習の形です。
家ではどうしても動けない。 それは、あなたが弱いからではありません。 家という場所は、脳にとって「リラックスする場所」だと刷り込まれているからです。
だからこそ、私たちは「教室」という空間を大切にしています。 南相馬の本校でも、新しく始まった相馬の教室でも、私たちが守りたいのはこの「空気感」です。
重い足取りでもいい。 とりあえず、教室の椅子に座る。 周りの子どもたちが、静かに、でも熱く集中している空気の中に身を置く。
すると、家ではあんなに重かった鉛筆が、驚くほど軽くなることがあります。 空気は、伝染します。 誰かの頑張る背中が、自分の背中をそっと押してくれる。 それが、集団の中で自立学習を進めることの、隠れたメリットでもあります。
もし、お子さんが「今日はやりたくない」と漏らしたとき。 どうか、「そんなこと言わずに頑張りなさい」と突き放さないであげてください。
「そうか、今日は重たい日なんだね。じゃあ、一行だけ一緒に見てみようか」 そんな、小さな一歩を肯定する言葉をかけてあげてほしいのです。
完璧主義は、時に子どもたちの足を止めてしまいます。 「全部できないなら、やらないほうがマシ」 そう思わせないために、「少しでもやった自分」を認める文化を、家庭でも、塾でも、作っていきたいと考えています。
ここ相双地区の厳しい寒さの中、重いカバンを背負って教室に来る。 それだけで、この地の子どもたちは本当に立派だと私は思うのです。
「今日は、一行だけ書けたね」
帰り際、私は生徒にそう声をかけます。 本人は「これっぽっちしかできなかった」と俯いているけれど、私は知っています。 その「一行」が、どれほど大きな勇気だったかを。
一歩踏み出すのが重い夜は、私たちと一緒に、その「最初の一行」だけ、書いてみませんか。 何もできなかった自分を責めて眠る夜よりも、小さな一歩を刻んだ自分を褒めて眠る夜を。
その積み重ねの先に、想像もしていなかった未来が待っています。
南相馬市の学習塾京大個別会原町本校 塾長 こーだい
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