相双地区の教育課題という出発点
震災後に何が変わったか——入試倍率と進学意識
元々、相双地区は福島県内でも学力が高い地域ではありませんでした。2011年の東日本大震災と原発事故により、南相馬市から多くの家庭が避難を余儀なくされ、学力低下はさらに加速しました。人口の流出は、地域の学習環境そのものを変えました。
震災から数年が経過した時期、地域の公立高校の入試倍率はほぼ1.0倍という状態が続きました。普通に生活していれば高校に入れるという状況は、結果的に学習習慣の形成を妨げます。これは生徒の問題でも、家庭の問題でもありません。地域の構造的な課題です。
しかし大学受験では、そうはいかない
大学受験は全国規模の競争です。「南相馬市だから」「被災地だから」という配慮は、一般選抜には存在しません。北海道の生徒も、東京の生徒も、南相馬の生徒も、同じ試験問題で評価されます。
都市部の生徒は、中学生のうちから複数の塾・予備校・模試・情報を活用して受験準備を進めています。一方、相双地区には大手予備校が存在せず、受験に関する情報量も、競争環境も、圧倒的に少ない状態です。この格差は、本人の努力不足で生まれるものではありません。しかし、だからといって格差が縮まるわけでもない。
塾長 佐藤晃大——経歴と開校の経緯
佐藤 晃大(さとう こうだい)
塾長・代表取締役 / 株式会社CRERIA
1987年10月、福島県南相馬市原町区生まれ。原一小・原二中・原高を経て日本大学生物資源科学部・同大学院を修了。神奈川県秦野市の早稲田アルパス 東海大学駅前校で講師、そろばん塾ピコ本厚木校で教室長を歴任。2014年2月、南相馬市に戻り京大個別会 原町本校を開校。2026年度、一般社団法人 原町青年会議所(JCI原町)第57代理事長。
南相馬市原町区生まれ、神奈川で働き、地元に戻った理由
神奈川で働く中で、地元南相馬との教育環境の違いをはっきりと感じるようになりました。保護者が進学情報を当然のように持っている。子どもたちが受験を「通過点」として捉えている。複数の選択肢の中から志望校を選んでいる。それが都市部の日常でした。南相馬ではそうではない、という実感がありました。その格差を縮める仕事を、地元でやろうと判断しました。
早稲田アルパスで見た「都市部の教育水準」
勤務先である早稲田アルパス 東海大学駅前校は、FC加盟全国600教室の中で5年連続最優秀教室に選ばれた塾でした。私の師匠・鈴木鯛功氏が塾長を務め、2012年には「売上・塾長・模範教室」3冠を達成しています。この環境で学んだのは、個別指導の技術だけではありません。「生徒一人ひとりの現状を正確に把握し、最短経路で目標に近づける」という指導の考え方です。この考え方は都市部だから機能するものではない。情報と戦略さえ整えれば、どこでも通用する。そう確信しました。
2014年2月、京大個別会 原町本校 開校
2014年2月、南相馬市原町区に戻り、個人塾として京大個別会 原町本校を開校しました。2017年7月に法人化し、株式会社CRERIAを設立。2019年には教室を拡大・移転。2024年10月には通信制高校学習センター「みのり高等学校」を開設し、2025年12月には相馬校の開校しました。
10年間で、個人塾から地域の複数の教育課題に対応する事業体へと変わりました。ただし、やっていることの中心は変わっていません。相双地区の高校生が、都市部の受験生と同じ土俵で戦えるための環境をつくること、それだけです。
指導の軸は「自立」とマインドセット
勉強を教えることは手段であって目的ではない、というのが基本的な立場です。自分で考えて行動できる力がなければ、受験が終わった後に続かない。定期テストの点数より、「なぜそうなるか」を自分の言葉で説明できるかどうかを重視しています。そのために必要なのは、学習技術だけでなく「自分はやればできる」というマインドセットの形成です。この2つを同時に育てることが、この塾の指導の軸です。
2026年度、地域への関わり——原町青年会議所
2026年度、一般社団法人 原町青年会議所(JCI原町)第57代理事長を務めています。青年会議所は地域の次世代リーダーの育成とまちづくりに関わる経済団体です。教育と地域、双方に関わることで、南相馬市に根を張る人間としての誇りと責任を果たしていきたいと考えています。
この塾が大切にしていること
情報格差を縮める
大学受験において、「どの学校がどんな入試をしているか」「総合型選抜は何をどう準備するか」「共通テストの配点比率はどう影響するか」という情報は、都市部では当たり前に共有されています。南相馬では、それを体系的に得る機会が限られています。この塾では、首都圏の受験情報と地域の高校事情を両方把握した上で、一人ひとりに必要な情報を整理して伝えます。「知らなかった」で後悔させない、というのが基本方針です。
選択肢を広げる
進学の目的は「都市部に出ること」だけではありません。地域の医療・行政・産業を担う人材として南相馬に戻ることも、地元以外の場所で活躍することも、どちらも正しい選択です。この塾が目指しているのは、「選べる状態をつくること」です。学力・情報・戦略が揃っていれば、自分で選ぶことができます。それが整っていなければ、選べません。
自立できる人間を育てる
成績を上げることは手段です。自分で考えて行動できる力、物事の本質を問い続ける習慣——それが受験を超えて、社会に出てからも機能する力になります。「答えを教える」より「考え方を身につける」を優先した指導を実践しています。
塾長の師匠、鈴木鯛功氏について
鈴木 鯛功(すずき たいこう)氏
早稲田アルパス 東海大学駅前校 塾長 / 大学教育学会会員
1969年生まれ。東海大学教養学部首席卒業、大学院理学研究科修了。神奈川県秦野市の個別指導塾、早稲田育英ゼミナール東海大学駅前校(現 早稲田アルパス)塾長を務め、FC加盟全国600教室の中で5年連続最優秀教室に選定。2012年には「売上・塾長・模範教室」の3部門で最優秀賞を受賞。早稲田育英ゼミナールの経営顧問を歴任し、現在も大学教育学会会員として研究活動に携わる。
塾長・佐藤晃大は同教室での在籍中に、鈴木氏のもとで個別指導の実務と指導哲学を習得しました。この経験が、現在の京大個別会 原町本校の指導の土台になっています。
株式会社CRERIAについて
この塾を運営する株式会社CRERIAの社名は、3つの言葉を組み合わせています。Credo(志——使命に向かって進み続けること)、Gloria(永続——地域に根ざした継続的な価値創造)、Clear(明確——目指すべき未来と道筋を常に描くこと)。
塾を10年続けてわかったことは、理念がなければ継続できないということです。南相馬市の教育環境は1年や2年で変わるものではないので。
沿革
| 2014年2月 | 京大個別会 原町本校・そろばん塾ピコ 原町校 開校(個人事業) |
|---|---|
| 2017年7月 | 株式会社CRERIA 設立(法人化) |
| 2019年3月 | 教室拡大・現住所(協心ビル1F・3F)へ移転 |
| 2020年7月 | そろばん塾ピコ 大町校 開校 |
| 2024年10月 | みのり高等学校(通信制高校学習センター)開設 |
| 2025年12月 | 相馬校 開校 |
| 2026年度 | 一般社団法人 原町青年会議所(JCI原町)2026年度 第57代理事長 就任 |
基本情報
| 塾名 | 京大個別会 原町本校 高等部 |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社CRERIA(クレリア) |
| 代表 | 佐藤 晃大(さとう こうだい) |
| 創業 | 2014年2月 |
| 法人化 | 2017年7月 |
| 住所 | 〒975-0003 福島県南相馬市原町区栄町1丁目81番地 協心ビル1F・3F |
| 電話 | 0244-26-4222 |
| 営業時間 | 08:00〜22:00(土日祝休) |
| 対象 | 幼児・小学生・中学生・高校生(大学受験 一般選抜・総合型選抜) |